大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和43(オ)941 判決

主 文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人らの負担とする。

理 由

上告代理人飯島稔の上告理由第一点および同貝塚次郎の上告理由第一点について。

被上告人が上告人A1に対して本件不動産につき所有権移転登記手続を求めるた

めの主位的請求原因は、被上告人がはじめから右不動産の所有者であるとの主張に

基づき、真正な登記名義の回復を求めるにあることは明らかであるから、原審が、

被上告人の請求の趣旨のうち贈与による所有権移転登記手続を求める部分には、右

主位的請求原因に基づく所有権移転登記手続を求める趣旨が包含されているものと

判断したことは、正当として是認することができる。それゆえ、原審が被上告人の

申し立てない事項につき判決をした違法はなく、論旨はいずれも採用するに足りな

い。�

上告代理人飯島稔の上告理由第二点について。

所論の点に関する原審の認定判断は、挙示の証拠に照らして首肯できないもので

はなく、原判決に所論の違法はない。論旨は、原審の専権に属する証拠の取捨判断、

事実の認定を非難するものであつて、採用することができない。

上告代理人貝塚次郎の上告理由第二点について。

第三者が民法九四条二項の保護を受けるためには、その者が善意であつたことを

主張、立証しなければならないことは、当裁判所の判例とするところであるが(最

高裁判所昭和三二年(オ)第三三五号同三五年二月二日第三小法廷判決、民集一四

巻一号三六頁)、上告人らは、原審において、上告人A2が上告人A1から本件不

動産を譲り受けるについて、右善意の点につき主張するところがないのであるから、

原審が同条項の適用の有無につき判断することなく、右条項による上告人A2の所

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有権取得を認めなかつたことに違法はない。それゆえ、論旨は採用することができ

ない。

同第三点について。

論旨指摘の点についての原審の認定判断は、挙示の証拠に照らして首肯できない

ものではなく、原判決に所論の違法はない。論旨はひつきよう、原審の適法にした

証拠の取捨判断および事実の認定を非難するに帰し、採用することができない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条、九三条に従い、裁判官全員の一致で、

主文のとおり判決する。

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 大 隅 健 一 郎

裁判官 岩 田 誠

裁判官 藤 林 益 三

裁判官 下 田 武 三

裁判官 岸 盛 一

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